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建設業の技能実習生の職種と作業一覧について解説

技能実習制度は、開発途上地域の外国人が日本の技術や技能を学び、修得したスキルを母国の発展に活かしてもらうことを目的とした制度です。「技能実習」は、外国人が日本で就労できるビザの1つですが、働ける職種は限定されています。

 

建設業での技能実習を検討している方の中には、

 

「要件はあるの?」

「どんな職種・作業に就けるの?」

 

と疑問をお持ちの方も多いでしょう。

 

この記事では、建設業における技能実習の職種・作業について紹介します。加えて、外国人を受け入れるための要件についても解説します。

ぜひ、最後までお読みください。

建設業の技能実習制度とは

ここでは、技能実習制度の概要について見ていきましょう。

技能実習制度とは

技能実習制度は、外国人実習生が日本で学んだ技術や知識を持ち帰り、母国の経済発展に貢献することを目的として1993年に創設されました。

 

開発途上地域などへの技能移転が最大の目的であるため、原則、人手不足を解消する手段としての利用はできません。しかし、慢性的な人手不足である建設業界では、外国人労働者の受け入れが増えているのが現状です。

 

国土交通省のデータによると、2022年10月末時点で建設業に就いている外国人116,789人のうち、70,489人が技能実習生でした。建設業で働く外国人のうち、技能実習生が約60%を占める計算です。

働ける期間

第1号〜第3号まであり、1号→2号→3号とステップアップできます。3号まで移行できた場合、最大で5年間の就労が可能です。

1. 第1号

入国してから1年目は「技能を修得」する段階として、1号に分類されます。

2. 第2号

2〜3年目は「技能を習熟」するステップで、2号に分類されます。1号から2号へ進むには、学科・実技試験への合格が条件です。

3. 第3号

4〜5年目は「技能の熟達」を目指すステージで、3号に分類されます。2号から3号へ進むには、実技試験への合格が条件です。3号へ進めるのは、優良認定を受けた企業のみです。

 

2号・3号へ進む段階で試験に落ちてしまうと、実習を終了して帰国しなければいけません。不合格の方は、1度のみ再試験が認められています。受け入れ側の企業は、実習生が試験に合格できるよう、技能の指導だけではなく日本語のサポートなども求められます。

受け入れの流れ

受け入れ方法には、下記の2種類があります。

●1. 企業単独型:実習実施者(受入企業)が海外の現地法人や関連会社から職員を受け入れる方法

●2. 団体監理型:事業協同組合や商工会などの営利を目的としない監理団体が実習生を受け入れて、実習実施者(受入企業)が実習を行う方法

全体の9割以上は団体監理型での受け入れで、企業単独型はあまり利用されていません。

 

下記は、団体監理型での受け入れの一般的な流れです。

  • ●1. 監理団体へ加入
  • ●2. 実習生の募集・採用
  • ●3. 技能実習計画の作成
  • ●4. 在留資格の申請
  • ●5. 入国後講習
  • ●6. 就労スタート

採用から就労開始まで、半年ほどかかります。スケジュールにゆとりを持って準備を行いましょう。

建設業の技能実習生の要件

ここでは、要件について見ていきましょう。

実習生側の要件

  • ●1. 修得しようとする技能が単純作業でない
  • ●2. 18歳以上で、帰国後に日本で修得した技能を要する仕事に就く予定がある
  • ●3. 母国で修得することが困難な技術である
  • ●4. 送出国の公的機関から推薦を受けている
  • ●5. 日本で実習予定の業務と同じような仕事に外国でも就いたキャリアがある
  • ●6. 技能実習に参加する特別な理由がある(団体監理型)

実習実施者側の要件

ここでは、受け入れ側の要件について見ていきましょう。

■ 受入企業の要件

以下は、全産業で共通している要件です。

1. 欠格事由に当てはまらない

関係法令(技能実習法など)に違反し処罰を受けた・暴力団員であるなどに当てはまらないのが条件です。

2. 技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員を配置する

3. 実習生の住まいを用意する

住居の広さは、1人あたりパーソナルスペースが4.5㎡以上が必要です。

住まいだけではなく、生活必需品なども用意しなければいけません。例えば、家具・家電・Wi-Fiなどが挙げられます。

賃貸住宅や自社所有の社宅などを提供するのが一般的です。

4. 日本人と同等以上の給料を設定する

不当に安い賃金で働かせるのは、法令違反です。

5. 社会保険に加入させる

日本人と同様に、健康保険・労災保険などの社会保険への加入が義務付けられています。

6. 帳簿を作成・保管する

実習日誌や実習計画の履行状況に係る管理簿などを作り、実習終了後も1年間は保管しなければなりません。

7. 監理団体に加入する(団体監理型)

 

■ 建設業特有の要件

技能実習における建設分野では、失踪者数の多さが問題視されていました。失踪が多い理由として、報酬の不安定さ・就労場所が現場ごとで変わることによる管理の難しさなどが挙げられます。

改善策として、以下の3つの基準が新たに設けられました。

1. 体制の基準(令和2年1月1日から適用)

  • ● 受入企業が建設業第3条の許可を受けている
  • ● 受入企業が建設キャリアアップシステムに登録している
  • ● 実習生を建設キャリアアップシステムに登録する

 

建設キャリアアップシステムは、技能者の就業実績や資格を登録しておけるシステムです。技能者に対する評価や待遇を改善し、キャリアパスの見える化を目的としています。

 

建設業界では、技能者の高齢化・若手入職者の減少・定着率の低さなどが問題視されていました。慢性的な人手不足の要因として、建設業におけるキャリアパスの見えづらさがあります。

 

システムの導入によって建設業全体の課題が改善されれば、技能実習生の失踪についても減少が期待できます。システムの登録は1〜2カ月かかるため、早めに準備しておきましょう。

2. 待遇の基準(令和2年1月1日から適用)

  • ● 実習生に対し報酬を安定的に支払う

 

給与体系を月給制にしなければいけません。

 

日給制や時給制は、季節・天気・工事の受注状況によって仕事の忙しさに波があり、想定していた報酬を下回るケースもあります。こうした報酬の不安定さは、就労意欲の低下や失踪の要因になりかねません。

 

月給制は仕事の繁閑にかかわらず、毎月決まった報酬が安定的に手に入るため、実習生の失踪の抑制につながります。

3. 実習生の人数(令和4年4月1日から適用)

  • ● 実習生の数が常勤職員の総数を超えない

 

下記の表、第1号の人数が基本人数枠です。第2号は、基本人数枠の2倍の受け入れができます。

(団体監理型)

常勤職員の総数

第1号技能実習生の数

301人以上

常勤職員の総数の20分の1

201人〜300人

15人

101人〜200人

10人

51人〜100人

6人

41人〜50人

5人

31人〜40人

4人

30人以下

3人

受け入れをおこなう監理団体の要件

  • ●1. 営利を目的としない法人である
  • ●2. 監理団体の業務の実施基準に沿って事業を適正に行える能力がある
  • ●3. 監理事業を健全に遂行できる財産の基礎がある
  • ●4. 個人情報の適正な管理のために必要な措置を講じている
  • ●5. 外部役員または外部監査を設置している
  • ●6. 基準を満たす外国の送出機関と、実習生の取次ぎに係る契約を結んでいる
  • ●7. 優良要件への適合(第3号のみ)
  • ●8. 上記1〜7のほか、監理事業を適正に行える能力がある

建設業の技能実習生の受け入れ可能な職種と作業一覧

建設業での対象職種・作業は、22職種・33作業です。各職種で作業内容が決まっており、基本的に実習生は現場での作業に従事します。

職種・作業一覧

作業名をクリックすると、より詳細な仕事内容について確認できます。

1. さく井

2. 建築板金

  • ダクト板金:空気調和設備・換気設備・排煙設備などに用いるダクトを製作し、取り付けます。
  • 内外装板金:内装(内壁・天井など)・外装(外壁・屋根・雨どいなど)の金属製内外装材を加工し、取り付けます。

3. 冷凍空気調和機器施工

4. 建具制作

  • 木製建具手加工:手工具などを使用し、木材の切断・加工・組立て・塗装・金具の取り付けなど、木製建具の製品を製作・加工をします。

5. 建築大工

  • 大工工事:木材建築物の大工工事です。木材を加工・組立て、家屋や神社仏閣などの木造建築物を建築します。

6. 型枠施工

  • 型枠工事:組立て場所や加工場で型枠材料を使用して加工図に応じた事前加工をし、揚重・運搬を経て、現場での組立て・解体をします。

7. 鉄筋施工

  • 鉄筋組み立て:機械工具を使用して鉄筋を加工・配置し、骨組みに結束線を使用して手作業により組み立てる作業です。

8. とび

  • とび:建築現場・建設現場・土木工事現場などで足場の仮設建造物の建て方・解体・重量物運搬をします。

9. 石材施工

  • 石材加工:大理石・花こう岩などを手道具または機械を使用して、切断・表面研磨・像刻み・碑文彫り・石塔・石臼などの加工仕上げをします。
  • 石張り:大理石・花こう岩・粘板岩・砂岩・硬石・中硬石・軟石などを張り石加工し、床・壁・柱・弊・石垣などの躯体構築物に張り付ける作業です。

10. タイル張り

  • タイル張り:モルタルや接着剤を使用し、割り付け図に従って段取り・タイル張り・化粧目地仕上げをします。

11. かわらぶき

  • かわらぶき:屋根下地に屋根工事(瓦・厚形スレートなど)をする作業です。

12. 左官

  • 左官:こて・こて板を使用し、建物の壁・床・土塀などに塗り仕上げをします。

13. 配管

  • 建築配管:建設業法で定義された管工事です。
  • プラント配管:プラントおよび関連設備や関連装置の連絡配管の管工事をします。水道・ガスなどの配管工事のうち水道メーター・ガスメーターなどの流量測定装置から下流の配管作業が対象です。

14. 熱絶縁施工

  • 保温保冷工事:冷暖房設備・冷凍冷蔵設備・動力設備、または燃料工業・化学工業などの各種設備の保温保冷工事です。

15. 内装仕上げ施工

  • プラスチック系床仕上げ工事:左官や大工が仕上げた床に基準線を引いて、中心からプラスチックタイルや塩化ビニルシートを張り付けます。
  • カーペット系床仕上げ工事:左官や大工が仕上げた床の床面および階段に基準線を引いて、カーペットを敷き込みます。
  • 鋼製下地工事:軽量鉄骨の鋼製下地に補強材料を使用して、電気溶接やビス止めにより天井や壁下地を施工する工事です。
  • ボード仕上げ工事:天井・壁の鋼製下地や木製下地に、各種ボードを用途別にビス止め、接着剤張りによりボード仕上げをします。
  • カーテン工事:カーテンの取付け場所の確認・採寸・カーテンの製作・施工の作業です。

16. サッシ施工

17. 防水施工

  • シーリング防水施工工事:外壁と窓枠やプレキャストコンクリート相互間の目地に防水のためのシーリング材をじゅうてん・はめ込む工事です。

18. コンクリート圧送施工

  • コンクリート圧送工事:建設現場に運搬された生コンクリートを、コンクリートポンプと輸送管機材を使用し、型枠内などに圧送し配分します。

19. ウェルポイント施工

20. 表装

  • 壁装:壁紙を建築物の天井・壁・床・造作・そのほかの部分に仕上げとして張り付けます。

21. 建設機械施工

  • 押土・整地:ブルドーザーを使用し、走行操作・施工・点検をする作業です。
  • 積込み:トラクタショベルを使用し、走行操作・施工・点検をする作業です。
  • 掘削:油圧ショベル(バックホウ)を使用し、走行操作・施工・点検をします。
  • 締固め:ロードローラーを使用し、施工・点検をします。特別教育の受講修了証が必要です。

22. 築炉

  • 築炉:炉を安全に稼働させるため、炉の内面に最新の施工技術を用いて高度の品質管理により耐火物を施工します。

業務における時間の割合

年間の実習時間全体の半分以上が「必須業務」・半分以下が「関連業務」・3分の1以下が「周辺業務」と定められています。加えて、業務ごとに全体時間の10%以上は「安全衛生業務」でなければいけません。

 

例えば、年間の実習時間が2000時間のケースでは以下のとおりです。

●1. 「必須業務」:1000時間(必須業務が900時間・安全衛生業務が100時間)

●2. 「関連業務」:600時間(関連業務が540時間・安全衛生業務が60時間)

●3. 「周辺業務」:400時間(周辺業務が360時間・安全衛生業務が40時間)

まとめ

この記事では、外国人を受け入れる要件と建設業の対象職種・作業について解説しました。

 

要件は、実習生側・受入企業側・監理団体側それぞれで定められています。建設キャリアップシステムの登録・月収制・受け入れ人数枠の制限など、建設業特有の要件もあります。

 

建設業での対象職種・作業は、22職種・33作業です。実際の業務では「必須」「関連」「周辺」の3つの業務に分けられ、それぞれ時間の割合が定められています。

 

今後ますます、建設業での受け入れは増えていくでしょう。外国人の受け入れを検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

 

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